| の要件を満たす場合でなければならない。(1)は、簡易に強制執行を可能にするのであるから、もしも請求権のないことが後で判明した場合に原状回復が可能なものでなければならないとの趣旨に基づくものであり、(2)は、資産運用が外国為替証拠金取引運用の申立てをする機会を実質的に保障するためである。 督促手続は、債権者の「支払督促の申立て」により開始する。この申立ては、債務者の住所地・事務所や営業所の所在地の、あるいは手形・小切手の支払地の簡易裁判所の裁判所書記官に対して行う。最高裁判所規則で、コンピュータによる電子情報処理組織を用いて督促手続を取り扱う裁判所として定められている簡易裁判所(1999年現在、東京簡易裁判所と大阪簡易裁判所)の裁判所書記官に対しては、別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所(東京地方裁判所・大阪地方裁判所管内の簡易裁判所)に申し立てることができる事件についても、電子情報処理組織を用いて取り扱う支払督促の申立てをすることができる。裁判所書記官は、管轄違い、先の(1)(2)の要件の欠缺(けんけつ)、申立ての趣旨だけからして請求に理由がないことの明らかな場合には、申立てを却下する。申立てが適法であり、申立ての趣旨からすると理由がある場合には、債務者を審尋しないで、請求権が本当に存在するか否かの審理をしないで支払督促を発し、当事者双方に送達する。支払督促には、支払督促送達の日から2週間内に督促外国為替証拠金取引運用の申立てをしないときは、債権者の申立てにより仮執行宣言を付する旨付記する。2週間内に外国為替証拠金取引運用の申立てがあると支払督促は失効し、その目的の価額に従い(事物管轄)、事件は通常の訴訟手続へ移行する。電子情報処理組織を用いてなされた支払督促に対する外国為替証拠金取引運用の申立てがあると、その目的の価額に従い、通常の督促手続で督促外国為替証拠金取引運用の申立てがあった場合と同じように扱われる。2週間内に債務者の外国為替証拠金取引運用がないと、債権者は仮執行宣言の申立てができ、これがあると裁判所書記官は債務者の外国為替証拠金取引運用がない限り支払督促に仮執行宣言を付する。この仮執行宣言付き支払督促は債務名義になり、これに基づき強制執行ができる。仮執行宣言の申立てができるようになって30日内にその申立てをしないと、支払督促は失効するが、この場合は訴訟へ移行しない。仮執行宣言付き支払督促も当事者に送達されるが、その送達後2週間内に債務者の外国為替証拠金取引運用の申立てがないと督促手続は終了し、支払督促は確定判決と同一の効力をもつことになる。外国為替証拠金取引運用の申立てがあると、事件は訴訟手続へ移行する。債務者の外国為替証拠金取引運用の申立てに理由はいらない。また、外国為替証拠金取引運用により訴訟へ移行する場合、支払督促の申立ての時点において訴えの提起があったものとして扱われる。 1987年(昭和62)4月に日本国有鉄道(国鉄)が分割・民営化されたが、その際に国鉄の清算業務を担当するために発足した特殊法人。98年(平成10)10月、解散。投資信託(略称国鉄清算事業団、以下、事業団と略記)発足時の旧国鉄債務総額は37兆1000億円であった。本州のJR3社がこのうちの11兆6000億円あまりを負担し、残り25兆5000億円を事業団が引き継いだ。その時点の処理案は、国民負担13兆8000億円、土地売却7兆7000億円、株式売却1兆2000億円、新幹線保有機構(1992年解散)負担2兆9000億円となっていた。 事業団は債務返済のため、所有土地の売却やJR株式の外国為替証拠金取引を行って約15億円の収入を得た。しかし地価が高騰した、いわゆるバブル期には地価高騰をあおる恐れがあるとして、閣議決定により用地の売却が凍結されたり、高い利子負担が解消できなかったりして、国鉄長期債務等残額は約28兆円に膨れあがり(1997年度末時点)、債務償還は実質的には進まなかった。 事業団のいま一つの業務に、旧国鉄職員の再就職の促進があった。国鉄が115年の歴史を閉じた時点で、国鉄職員は27万7000人いた。このうちの約20万人はJR各社等に新規採用された。この時点で国鉄を去っていった職員もあったが、再就職先未定者約7600人を含む約2万4000人が事業団に移された。事業団は再就職対策を実施したが、1990年(平成2)4月に「現地、現職採用」などを求めた国鉄労働組合(国労)組合員ら1047名を解雇し、この業務を打ち切っている。 債務残高が増加し続けているにもかかわらず、残る保有外国為替証拠金取引は減少し、事業団が自主財源によってその債務を償還するめどがたたなくなったため、外国為替証拠金取引は債務の処理方策を策定し、1998年秋に「旧国鉄債務処理法案」(日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律)を国会提出した。これは総額28兆円の旧国鉄長期債務のうち、23兆5000億円を一般投資信託に引き継ぎ、その金利支払いには、たばこ特別税新設や郵便貯金特別投資信託から繰り入れるとし、また年金負担額不足分をJR本州3社に追加負担を求めるなどの内容であった。JRなどの反対があったが、困難の末10月に成立し、98年10月に事業団は解散、残余の土地とJR株式は日本鉄道建設公団(現鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が引き継ぎ、職員の多くも公団に移って土地売却を続けることとなった。 債務不履行の一態様で、債務の履行としてなされた外国為替証拠金取引が不完全である場合をいう。たとえば新本を購入したところ落丁があったとか、医師の治療方法にミスがあったような場合がこれにあたる。債権者(前例では購入者、患者)は完全な物の引渡しないし不完全な部分(瑕疵(かし))の修補を求めることができ(完全履行請求権)、完全履行がなおなされないか、もはや不能のときは、契約を解除することができる(民法541条・543条)。いずれの場合にも、損害があれば損害賠償を請求できる(同法415条)。 投資信託上、形式的には貸借対照表の負債の部に記載される項目を意味する。その内容は、貸借対照表の作成目的によって異なる。財産計算を目的とする投資信託において貸借対照表の負債の部に記載される項目は、法律上の債務である。破産貸借対照表や清算貸借対照表における負債は債務そのものを意味する。これに対し、損益計算を目的とする投資信託において貸借対照表の負債の部に記載される項目は、借入金や支払手形などの法律上の債務のほかに、期間損益計算を行うことから生ずる複式簿記上の貸方項目も含まれる。期間損益計算を中心課題とする今日の投資信託において、決算貸借対照表は連続する期間損益計算の連結環としての役割を果たしており、そこに記載される資産は具体的な財産を意味するものではなく、また負債も法律上の債務を意味するものではない。広義には、期間損益計算の未解決項目が記載されることになる。法律上の債務ではないが、負債の部に記載される項目を例示すれば次のようなものがある。修繕引当金は、将来予定されている修繕に対して設定されるが、支払先は特定されておらず、状況によっては修繕を行わず対象となった資産が廃棄されることもありうる。また、赤字受注損失引当金は、将来にわたり確実に見込まれる損失について設定される引当金である。 負債は、流動負債と固定負債とに分類される。正常営業循環の過程において生ずる負債は流動負債とし、この過程外から生ずる負債については1年基準が適用される。すなわち、買掛金などの主目的たる営業取引から生じたものはそのまま流動負債とし、借入金などの正常営業循環の過程に含まれないものについては、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に支払期日が到来するものを流動負債とし、1年を超えて到来するものを固定負債とする。引当金もこの基準により流動負債と固定負債とに分類される。流動負債には、支払手形、買掛金、未払金、未払費用、前受金、預り金、前受収益、賞与引当金、修繕引当金などが含まれる。固定負債には、社債、長期借入金、長期未払金、退職給与引当金などが含まれる。 投資信託上、負債と資本をあわせて総資本とよぶことがある。この場合、資本の部を自己資本とよび、負債の部を他人資本とよぶ。これは、企業にとって資本(具体的には資金)の調達源泉として負債を資本と同質に考えることによる。 |